焦塩の地 (Salt Burn)

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焦塩の地(英: Salt Burn)は、大陸南部の沿岸に広がる広大な塩性湿地および砂漠地帯。 「翡翠の回廊(ザルム・ガズ)」に隣接しているが、その風景は対照的である。かつて行われた大規模な**「石灰散布(The Liming)」による虐殺の跡地であり、土壌は化学的に変質し、白く焼け付いている。 現在は社会から弾かれた犯罪者、病者、そして「ヌマワタリ族」**と呼ばれる被差別民が支配する、地図上の空白地帯(アンタッチャブル・エリア)となっている。

Content

※正式名:ザル・ウスティク (Zal-Ustik) ※通称:「白き傷跡」「死灰の湿地」

1. 地理と環境:『呪われた白』

物理的特徴

  • 景観: 一面が不自然な「白」に覆われている。これは天然の塩だけでなく、かつて撒かれた大量の消石灰が土壌に固着したものである。植物は立ち枯れたマングローブの残骸(白い化石のような木々)しか存在しない。
  • 潮汐の影響:
    • 満潮時: 毒性の強い塩水が入り込み、複雑な迷路のような水路を形成する。
    • 干潮時: 見渡す限りの白い泥と塩の荒野となる。不用意に踏み込めば「底なしの腐泥」に足を取られ、二度と戻れない。

「傷跡」としての土地

ここは惑星の自然なサイクルから外れた場所である。撒かれた石灰と化学物質により、本来起こるはずの「分解と再生(南部の特徴)」が阻害され、死体が腐らずにミイラ化して「保存」される特性を持つ。

2. 歴史:『石灰の粛清』

この地が不毛となった原因は、数十年前(あるいはそれ以上前)に神殿と諸侯連合が実行した**「防疫」という名目の大虐殺**にある。

  • 事件: 当時、南部で流行した風土病(あるいは異端信仰)を根絶するため、感染者の隔離区画であったこの地に、飛空船から山のような「生石灰」が投下された。
  • 結果: 住民は熱とアルカリによって文字通り「焼却」され、土地そのものも殺菌(不毛化)された。ザル・ウスティク(焼かれた土地)という名は、この悲劇に由来する。

3. 住人:ヌマワタリ族 (The Marsh Striders)

虐殺を生き延びた者の末裔や、社会から逃げ込んだ流刑人たちが、独自のコミュニティを形成している。

  • 呼称: ヌマワタリ族(Swamp Walkers)。特定の種族名ではなく、この環境に適応した者たちの総称。
  • 生活様式: 彼らは泥に沈まないよう、竹や廃材で作った「高足(スティルト)」を履いて移動し、平底の舟を操る。
  • 生業:
    • スカベンジャー: 漂着物や、翡翠の回廊から流れてくる廃棄物を漁る。
    • 死体処理: 南部の貴族たちが隠したい「死体(政敵や愛人)」を引き取り、塩漬けにして処理、あるいは隠滅する汚れ仕事を請け負う。

4. 社会的役割:『南部の掃き溜め』

華やかな「翡翠の回廊」にとって、焦塩の地はなくてはならない**「裏庭」**である。

  • 非公式な聖域: どんな重罪人でも、この「白い荒野」に逃げ込めば、神殿の衛兵も諸侯の私兵も追っては来ない。ただし、その代償としてヌマワタリ族への絶対服従と、高額な「滞在費(または労働)」を要求される。
  • 闇取引の最終処分場: 密輸に失敗したブツや、禁忌の技術、そして「生かしておけないが殺せない人間」がここに流される。

5. 物語における位置づけ

  • 道徳の最底辺: 金と快楽で飾られた南部の欺瞞が剥がれ落ち、むき出しの生存本能と罪が露呈する場所。
  • 隠された真実: リチャードたちはここで、神殿が歴史から消し去ろうとした「過去の罪(石灰散布の真実)」と、それを記憶し続ける人々と出会うことになるかもしれない。

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