都市と化した空中へ住むあなたへ。
空中と化した都市に住むものより。
私が住むこの「空中化された都市」は、結局のところ、かつての大地の記憶を不器用に模倣した紛い物に過ぎません。
重力を失いながらも壁や床という旧来の形態に固執し、浮遊するヴォリュームとして重さを演じ続けるこの場所は、大地への未練を捨てきれない、重苦しい抜け殻のようです。
一方で、建築が形であることをやめ、気候そのものへと昇華されたあなたの世界への憧れがあります。そのマニエリスム的な相克と、物質的な衣服からの解脱。密度そのものが都市を形作るその純粋な透明さに、私は一種の救いを感じるのです。
私にとっての壁による遮断という偽りの安寧に対し、あなたの世界は誰からも解釈されない、完全なる沈黙性を持ちます。それは公共性という制約がもたらす、物理的な旧習に依存するに対し、真の建築としてのあり方そのものの表象とも思えるのです。
この重い外套を捨て、私もまた、その濃度こそが唯一の適切な指標たる、霧化した都市へと溶けてしまいたい。形なき場所で、ただ思考の輪郭だけを頼りに、漂うあり方こそが、私たちにとっての、到達すべき理想郷なのです。
いつかこの紛い物の殻が剥がれ落ち、私の思考が空気に溶け合う日は来るのでしょうか。